男娼の英雄「おきよ」警視総監殴打事件@女装事件簿

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終戦直後の1948年、当時男娼(女装をして、

性的サービスを行う方々)のたちんぼエリアとして

栄えていた「上野」にて、

当時の警視総監が、男娼のひとり「オキヨ」に

殴打されたという伝説の事件。

後にも先にも、「警視総監」を殴った男娼は、

オキヨを除いて他にはいない。

そんな伝説の事件をご紹介します。


■男娼を冷やかしたため、激怒の英雄オキヨさん


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■男娼の町 上野

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↑の画像は三橋順子先生のブログから拝借

いたしました。

当時の上野は男娼の聖地と化していて、

今でいうと新宿2丁目=ゲイ・女装子さんの町という

イメージですが、

当時はまだ上野=ゲイ・女装子さんの町でした。

戦後、急激に成長をみせる日本の中で、

性風俗産業は活発化し、

法整備もまだ十分ではない時代でした。

当時の男娼たちは、今でいうところの

プロ、ニューハーフさんというところで、

生活のために必死に男性たちを満足させていました。


まだまだ同性愛や女装に寛容ではなかった戦後日本において、

上野は恰好のノンケさんたちのネタの場所でした。
「あそこにいけば男娼に出会える」

「上野にいけば男娼が見れる」

このようなノリで、

男娼たちはしばしば嘲笑や冷やかしの対象にされました。
そのたびに、男娼たちは一致団結し、

冷やかしするノンケたちを追い払うなどしていました。

そんな中、男娼のひとりである「オキヨ」が

事件を起こしました。



■新聞記者のパシャッ!に激怒。一緒にいた警視総監を殴打

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ある新聞記者はこの日、

当時の田中栄一警視総監とともに

取材の動向をしていました。
その際、新聞記者が上野を通った際、

ネタになると男娼たちをパシャパシャとりはじめたのです。

光るフラッシュの閃光に

男娼たちは殺気だちはじめます。

男娼たちは新聞記者に殴りかかりました。

そして、その中の男娼オキヨが、

新聞記者の隣にいた田中栄一警視総監を

殴打したのです。

警視総監が男娼に殴られた

など後にも先にもこの事件しかなく、

伝説の事件として語り継がれています。


この事件で談笑たちとオキヨは

逮捕され、オキヨはなぜ警視総監をなぐったのかとうい

質問に対して、

「なんや知らんけど大勢の男たちがやって来て、
いきなりカメラマンがフラッシュを光らせた。
それがアタマにきたんでいちばん偉そうなのを殴ったんよ」

(広岡敬一『戦後風俗大系 わが女神たち』2000年4月 朝日出版社)



と語ったといいます。


今では男娼の数は激減し、

ほとんどその姿を見つけることはできません。

上野や新宿駅前、大阪阿倍野や新世界などの

怪しい雰囲気と男娼の町も、

近年の都市開発や、コンプライアンス順守の風潮の中で

続々と姿を消しています。

代わりにニューハーフヘルスなどの合法的な

性風俗産業が芽生え、文化として息づいています。

なんだか、物寂しい気持ちもしますが、

これも時代の変遷というところなのでしょう。




■女装子さんを嘲笑するステレオタイプは変わってきている


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女装子さん=嘲笑のネタ

というステレオタイプは近年確実に変化してきています。

かつては、


女装子さん=ホモ

女装子さん=ヘンタイ
女装子さん=男娼


というマイナスなステレオタイプがほとんどでしたが、


女装子さん=性の表現者

女装子さん=自由の象徴
女装子さん=かわいい



というプラスの世間の評価も増えつつあります。


もちろん、いまだにマイナスのステレオタイプも

存在しますが、そんなことは気にせず、

むしろプラスの評価をする人が増えているという

事実に目を向けて、女装を楽しみましょう。

女装子さんを嘲笑する人々の心理(1)-自信を持って町を歩こう!@女装と社会
「うわー、おかまだ」→「すごい!女装子さんだ!本物だ!」と世間の反応が少し変わってきた。@女装と社会



みなさんひとりひとりが

女装業界を背負ってるんです。

ひとりの愚かな行動が、世間からすると、

「女装子ってこんなもんなんだ」

という評価につながります。


きっと、オキヨさんも、

男娼たちの生き様を背負って、

殴りかかったのでしょう。

オキヨさんのように、

嘲笑されたり、冷やかしの目にあっても

殴ってはいけませんよ。笑



警視総監を殴ったオキヨさんの伝説。
時代が変わっても、

その心意気だけは忘れたくないですね。


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この記事書いた人:栗原千秋

女装歴10年のほぼフルタイム女装子ライター。
年齢は30歳くらい♪
座右の銘は「女装子ほど、男気を忘れず。」
好きなものは「にんにくの素揚げ」
関東在住ながら、名古屋、大阪を拠点に
フリーランスで雑誌執筆などをしている。
口癖は「仕事ください♪」

女装の事件ファイル。女装事件からわがふりなおす

「女装事件簿」


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