【業界健全化宣言】マイノリティのマイノリティ叩きはやめないか?@快刀乱麻第1話

image



はじめまして、

業界のラストサムライことチョン万次郎です。


「ちょんまん」「ちょんま」などと呼ばれることが多いが、

改めて女装ワールド上でこのような機会をいただけたことを

嬉しく思う。ありがとう。


さぁ、さっそくはじめよう。快刀乱麻。

業界をぶった切る。

業界健全化の提言を。


■何も上からじゃないんだ。自分に自信がない若者ほど奇抜な格好するだろ?


image


私は、
「業界をぶった切る」

「業界健全化宣言!」

などと一見調子に乗ったことを言っているが、

何も上から目線で物を言いたいわけではない。

チョン万次郎などという名前を

はじめて聞いた方も多いと思う。
それはそうで、こんなHNを使うのは

これが初めてだからだ。

チョン万次郎などという名前になんの

ブランド力もない以上、

そういった少し激しめの

ラディカルな言葉を用いて、

みなさんのお目に、

少しでも触れさせていただきたいという、

ただそれだけのことだ。

そう、まだ自分に自信がない若者たちが

こぞって奇抜な格好をしたがるようにさ。




■マイノリティのマイノリティ叩きはやめにしないか?


image



私は昔よくポルノ映画館にいって、

女装子さんをナンパしたり、

デートに誘ったりしていた。

ポルノ映画館といっても、映画をみることだけが目的

なのではなく、そこに集まるゲイさんや女装子さん、

女装業界人という社会のマイノリティたちの顔なじみと

談笑するための、いわゆるコミュニティ目的で通っている

ふしが強かった。

人が集まる場所には、

笑いもあれば、

当然争いもある。

口を開けば、

「おれはあいつが嫌い」

「私はあいつが嫌い」

一時期、私の通っていた映画館は誰かの悪口大会のような

場所になっていた。


人間は、社会を複雑に構成することで、

この生態系のトップに君臨し続けてきた。

だから、人間は自分の縄張りや、

自分のプライド、

自分の価値観、

自分の意識、

自分の立場・・・

そういったものを「他者との対比の上で」

(それが社会だもの)

自己評価するようにインプットされている。

そして、その自己評価を人間は、

守ろうとする。
自己評価を下げるものを徹底的に

排除しようとする。


要は、今自分が100万円を持っていても、

周りが全員1000万円持っていたら、

その100万円を過小評価してしまうっていうのが

人間なんだ。
でも、できるだけ、自分のその100万円を

維持したい。価値あるものだと思いたい。

だから、1000万円を持っている人間を排除しようとする。


人間とは本来、そういう生き物だ。
それを、知性や社会性といったもので、

態度や行動として表出しないように努めるわけだ。

なぜなら、万人がそれを表出させてしまうと、

人間がこの生態系でトップに君臨し続けるもっともたるゆえんである

社会そのものが破綻してしまうからだ。



話を少し元に戻すと、

映画館での悪口大会は、

そういった知性や社会性が全く欠落した

人間の本来の性質そのものが表出した場所だった。


自分の価値観と合わなければ、

合わない人間を徹底的に排除する。

自分のプライドが傷つけられれば、

相手のプライドも傷つける。
自分よりも美人な女装子がくれば、

女装子はその女装子を徹底的にこきおろす。

決して、そんなに劣っているということはないのに。



このような光景にうんざりし、

私は映画館から足が遠のいた。

今はおそらく、そんなことはないかもしれないが、

私が通っていた当時はそうだった。


まさに、社会的マイノリティがマイノリティをたたく、

マイノリティのマイノリティたたきだ。

そしてこのマイノリティによるマイノリティたたきは、

インターネット掲示板などで、特定個人を誹謗中傷するような内容で

連日投稿されてしまっているという現実がある。


しかし、思い出して欲しい。





■普段、マジョリティにやらないでと言っていることを、君たちがやってどうするんだ。


image


ゲイさんや女装業界人などの

社会的マイノリティは、普段、

社会的マジョリティに対してなんと主張しているだろうか。


差別しないで!

レッテルを貼らないで!

多様な価値観を受け入れて!


こう主張しているのではないだろうか。

この主張はもっともたるものであるし、

社会の理想郷-ユートピア-の実現としては、

あるべき提言のひとつであると私は信じている。

しかし、

あの映画館の光景や掲示板で起こっているような

マイノリティのマイノリティたたきは、

この主張の真逆の行動を行っているではないか。


自分の価値観と合わなければ、

合わない人間を徹底的に排除する。

自分のプライドが傷つけられれば、

相手のプライドも傷つける。
自分よりも美人な女装子がくれば、

女装子はその女装子を徹底的にこきおろす。

決して、そんなに劣っているということはないのに。



こんなことをしていては、だめだ。

マジョリティに対して、

多様性を受け入れるという知性の要求をするのであれば、

まずマイノリティたちがその知性を持たなければならない。

好き勝手やっている人たちに、

おまえも働け!と言われて納得するだろうか?
きちんと働いている人にこそ、

おまえも働け!と言われるとはじめて納得できる余地があるというものだろう。


マイノリティのマイノリティたたきはもう終わりにしよう。

この業界の多くのマイノリティは、知性をもって

この小さいけど深い女装業界という社会の中で

共存しあって生きている。
そして、その姿をみたマジョリティたちが、

社会の中でその認知を膨らましつつあるという光景に

どれだけのマイノリティが救われているだろう。



せっかくともった知性の火を消してはならない。

マイノリティのマイノリティたたきは、もうこれでおしまい。


おっさんの戯言でした。


image


image 業界をぶった切る!
業界のラストサムライ・チョン万次郎の
「快刀乱麻~業界健全化宣言~」
コラム執筆者:チョン万次郎


関西在住の年齢は非公開。
昔から女装子さんが大好きでおいかけてきた。
近年、盛り上がる「女装」にまつわるさまざまな事柄。
これに少し違和感を感じながらも、
次の世代のよりよい女装業界を想い、
コラムを書き続ける。

嫌いなものは「出入り禁止」

関連記事
悪口女装業界マイノリティ

Comment