【女装事件簿】ソフトバンクLGBT中傷広告事件
出典元:http://web.archive.org/web/20140618000318/
2015年4月ころ、ソフトバンクの新たなキャンペーン広告にて
LGBTを中傷するような広告を掲載したとして
炎上した事件。事件というよりも、炎上。
■事件の概要
ソフトバンクのクルー募集広告において、
女装家の紳子という主人公が、
ソフトバンククルーに採用され、成長していくという
ストーリー型の広告だ。
出典元:
http://web.archive.org/web/20140618000318/
広告に使われていた文言を抜粋すると・・・
私の名前は紳子。ソフトバンクの新人クルーで、今は研修中の身よ。ちなみに「クルー」とはショップ店員の別の呼び方なの。
…大学を卒業して仕事も決まらず、
特にやることがなかった私は大した覚悟もなくオカマになった。そんな私を優しく迎え入れてくれたのがソフトバンクショップ。
人間が好きな私にとって、たくさんの人と関わるクルーの仕事は自分にとって天職だわ!
一生懸命働いて、いつかソフトバンクの正社員になれるように頑張ります!
この一見怖そうな女の人は、ベテランクルーの須藤先輩。私の教育担当として、いつもソフトバンク クルーの心得を教えてくれるの。
優しくて、面倒見がよくて、美人で… 私にないものを全て持っている憧れの先輩。
先輩のような素敵なクルーになるため、
早くなんらかの対応をして本物の女になりたいわ!
特にやることがなかった私は大した覚悟もなくオカマになった。
特にやることがないからオカマになるという
という表現はオカマを劣等的に扱っている表現であり
ふさわしくないといえる。。
これが一番問題かなと私は思う。
主人公は女装家かGIDさんであろう。
少なくとも、女性として社会に出たいという願望を
持っているのだから、GIDさんと推定するのが
一番合理的だ。
ということは、この表現は、GIDさんは「本物の女性
ではない」という表現になり、
GIDさんのこころの状況への配慮を書いた表現だ。
「女性として、はやく社会で活躍したいわ!」
などの表現だと妥当だったと思う。
この広告の製作会社である株式会社LIGには、
セクシャリティやジェンダーなどというLGBTに関する
理解がなかったのだろう。
また、
「オカマ」という表現は蔑称としての認識が
社会の一部ではあり、
それをソフトバンクという日本最大級の通信インフラ提供会社の
公式広告として用いるというのにはもう少し配慮が
必要だった感は否めない。
この広告を制作したのは
株式会社LIGという会社であるが、
この広告に関して最終的にOKを下したのは
ソフトバンクであり、
炎上に対する責任はソフトバンクにもあるといえよう。
■世間の反応
【求人募集】ソフトバンクショップで働こう!とある美人社員とオカマの一日。|
株式会社LIG http://t.co/6Q4QEbeOk4←つまり、ソフトバンク、
あるいは少なくともこのLIG社は、
こういう広告に嫌悪感や疑問を抱かない人のみを求人対象と看做しているということですか…?
— あー (@floria_mint) 2014, 6月 18
ひでえなコレRT@lgbtjp_bot ソフトバンクの代理店の求人広告がヒドイ件について、
みんなで孫さん @masason に知らせましょう!
LGBTを笑いものにすることは、LGBTのワカモノの自殺率の高さにも繋がることです。
http://t.co/D8qDP0G99M …
— すー (@natsuko_krchjp) 2014, 6月 18
ひでえなコレRT@lgbtjp_bot ソフトバンクの代理店の求人広告がヒドイ件について、
みんなで孫さん @masason に知らせましょう!LGBTを笑いものにすることは、
LGBTのワカモノの自殺率の高さにも繋がることです。
http://t.co/D8qDP0G99M …
— すー (@natsuko_krchjp) 2014, 6月 18
つまらないのはもちろん、こういうノリがほんと無理。
マイノリティとか弱者とかバカにするのが当然といった態度がにじみ出てて、
ホント無理。/【求人募集】ソフトバンクショップで働こう!とある美人社員とオカマの一日。
| 株式会社LIG http://t.co/kKh4fRL0cD
— 小島かほり(ひとり圧力団体) (@douseidoumei) 2014, 6月 18
みなさんかなりおかんむりですね。
おそらくソフトバンク側はそこまで馬鹿にするような
つもりではなく、「軽々しく」オカマという言葉を
使ってしまったのかもしれない。
LGBTの中でも、自らを「オカマ」と自称している
者もいるわけだから、一概にオカマ=LGBT蔑称
というのも一定の議論の余地があるだろう。
しかし、ソフトバンクという日本最大級の通信インフラ提供会社
の広告という観点からいうならば、
最大限、ユーザー、広告視聴者に対する配慮がなされた
コンテンツでなければならないことは明白で、
一部で蔑称と言われている「オカマ」を広告に採用することは、
問題があったといわざるをえない。
結局この広告は削除されることとなった。
お詫びと記事取り下げのお知らせ6月16日に弊社で企画・制作し、掲載したコンテンツについて、
記事タイトル・本文中に不適切な表現がありました。
ご不快の念をおかけしました読者の皆さまに、深くお詫び申し上げます。
当該コンテンツにつきましては、掲載を取り下げました。
今後このようなことが無いよう、細心の注意を払い、メディア運用に努めて参ります。
本当に申し訳ありませんでした。
平成26年6月19日 株式会社LIG
■LGBTを積極採用すれば、企業の広告のリスクヘッジになるのではないか?
今回の炎上に限らず、
広告に関する炎上は非常に多い。
多くの炎上の原因は、
「弱者に対する配慮の欠如」
が多い。
とすれば、LGBTを広告やクリエイティブ部門に
多く採用すれば、炎上リスクのヘッジになるのではないかと思う。
LGBTの多くは、マイノリティに関する事情に精通
しているので、弱者に対する配慮するスキルが
非常に高い人材が多いと言える。
また、LGBTに関する知識だけでなく、
マイノリティであるがゆえに、
自身の本当の性と社会の決めた性という
2つの立場の中でこれまで生きてきたので、
他者配慮スキル自体が高いので、
顧客のニーズ理解などマーケティング部門に採用すると
活躍する人材も多くいる気がするのだ。
ソフトバンクだって人間が経営する会社
なのだから間違いは犯す。
既に該当の広告は削除し、謝罪しているので
社会的制裁はすでに受けたといえよう。
大事なのは、この事件を教訓に、
「どうすればもっとLGBTが社会進出できるか?」
などのLGBTにまつわる諸問題を女装業界人個人個人が考えて、
しっかりと勉強し、
それぞれのやり方で社会に訴えかけていくことではないだろうか。
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![]() | この記事書いた人:たこそのもの |