女装事件の続発というプロパガンダ

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石川県警HPより


こんにちは、女装子大好きライターたこ・そのものです。

最近、女装事件が続発しているというプロパガンダがある。

プロパガンダとは「デマゴーグ」のようなもので、

「あたかも女装事件がめちゃくちゃ起きているかのような

誤まった認識を植え付ける情報」のことだ。


日刊ゲンダイの記事より

女装事件について分析がされている。
せっかく最近の女装の認知度がアップしてきた

のにもかかわらず、こういったデマゴーグのせいで

女装業界にマイナスの認知が広まってしまうことが

看過ならないのだ。


■事件が悪いというより、女装事件が増えているという報道が悪い


法を犯すことはよくないのは当たり前で、
語る余地はないが、
よく耳にするのが「女装事件を起こす輩のせいで

女装のイメージが悪くなるよね」という言葉だ。

事件というのは社会がある一定のルールを

ひいている以上、そこから逸脱してしまう人が

引き起こすというのはどんな時代でも当たり前で、
「ルールを逸脱した人がたまたま女装していた」

という感覚のほうが正しい気がする。

ホリエモンが逮捕された2006年のときも、
「ネット起業家はうさんくさい、虚業だ」みたいな

風潮があったが、ネットで商売をしている人のほとんどは

ルールを逸脱しない、商店街の個人事業主と何ら変わらない

「商売」をしていたはずだ。
これだって、「ルールを逸脱したホリエモンがたまたまネット起業家だった」

だけの話である。

ホリエモン以前だって、ホリエモンが犯した罪で逮捕された

人などいくらでもいたのだ。

良くも悪くも、マス媒体による報道は「加熱」する。
そしてマス媒体のユーザー(一般的にB層と呼ばれる層たち)

は細かい因果関係などを考えずに、

その加熱された情報を信じ込み、
今回の女装の報道でも「女装家は犯罪を犯す!」

というレッテルを貼るのだ。
「女装事件続発」という加熱された報道によるレッテル

以前にも、女装をした人が行う犯罪は起こっていた。


なので、女装の事件が増えていると「報道する」のが

どちらかというと、女装業界にとってはよくないことであるし、
そもそも何をもって、女装事件が「続発」というのだ?

そんなことよりも、窃盗や詐欺などのほうが続発している。

なにせ、毎日起こっているのだから。

「女装事件が続発しているという報道」が続発しているだけなのだ。


■女装事件は氷山の一角というのは何を根拠に言っているのだろうか?


週刊ゲンダイの記事の締めくくりでこんなものがあった。


怖いのは、これらの女装犯罪が“氷山の一角”ということだ。
「マツコデラックスに代表されるオネエブームで女装に対して社会が寛容になっている。

・・・・・女性っぽい容姿の男性や女装マニアを最近では『男の娘』などと呼んだりしますが、

女装とバレずに犯行を繰り返しているやからは、もっと多いはずです」(田代篤氏)

 


「女装とばれずに犯行を繰り返している」

とは、いったいなんの犯行なのだろうか?

仮に「建造物侵入罪」のこととしよう。
建造物侵入罪は、「管理者の意思に反して」

建造物に侵入することで要件が成り立つが、

管理者の意思とはなんだろうか。

たとえば、女性用トイレであれば、

「女性用トイレに男性が存在することが利用者に不快感や、

恐怖感を抱かせ、正常にようをたせない」ことが意思に反することであり、

見た目が女性であって、社会的に女性と認知されるような

「女装とばれない」男の娘や、戸籍上は男性のニューハーフさん

たちは意思に反しているとは言えないのではないだろうか。

また、氷山の一角というが、
そんなことを言い出せば、すべては氷山の一角だろう。

脱税だってたとえば飲み屋街をすべてマンパワーを使って、

捜査すればもっともっと出てくるだろうし、
トイレの侵入罪だって、男性用トイレに侵入するおばちゃん

などの女性だって逮捕されうるわけだ。

実は、GIDの方だって戸籍上男であれば、

建造物侵入罪の要件にあたるわけなので、

そういった人たちまで含めて氷山の一角であると

この記事では言っているのと同じなのだ。

「女装とばれずに」というが、ばれなくて、

正常にトイレを使っていないのであれば、

何か問題があるのだろうか?

たとえば、生まれた瞬間から「心は女性」で、

染色体の影響で身体が男性になった。
そんなGIDの方々は、ただでさえこの

「男性か女性かという2極の社会で苦しみながら

生きているのだ。
精神は女性なのに、見た目が男性であることの

自己認知のストレスや苦しさは体験してみないと

わからないだろう。

知人のGIDさんの話を聞くが、本当に苦しいそうだ。

そんな中で、努力して、せめて外見上だけでも女性に

なって、必死に生きている方々まで、まるで

「犯罪予備軍」かのような言い方をするこの記事は、

本当に無責任だ。

女装業界の大多数は、
社会のルールを守りながら生きている

社会の大多数と何ら変わり無い人々であり、
女装をしているというだけなのである。


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