【必見】レストランが女装者の席移動をお願いするのは差別なのか?@女装と社会

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出典元:http://macaunavi.com
※今回のレストランと画像は関係ありません


あるミシュランの3つ星レストランが

女装者(トランスヴェスタイト)に対して、

女装をしていることを理由に席の移動を

お願いするという事案が発生しました。


■ことの概要



BLOGOSのある記事にことのあらましが

掲載されていました。




先日、知人たちとともに港区にある「ミシュラン星付き」のフレンチレストランへ

食事に行った時に、大変に屈辱的な経験をしました。

訪問したメンバーの中に、トランスベスタイト(異性装者)の男性がいました。

いわゆる「女装家」です。もちろん、それは宴会の出し物のコスプレでもなければ、

おもしろ半分の着ぐるみのようなものではありません。

彼女(?)は自分のアイデンティティーとして異性装をしているのです。


・・・(中略)・・・

さて、その彼女が「ミシュラン星付き」のフレンチ店に入り、

何気なく空いていた中央の席に行き、

その場所に座りました。

するとどうでしょう、
店員がそそくさとやってきて、「店のはじっこの席」に行くように促されました。

さらに、トランスベスタイトの彼女に対して、
中央に背中を向けて座るようにと言われたのです。


少し遅れて入店した筆者が到着した時点で、彼女はその状態にさせられていたのです。

このいわれのない屈辱的な扱い。あまりに悲しそうなその姿に、
さすがに怒りがこみ上げてきました。

・・・(中略)・・・

支配人を呼び、この屈辱的な扱いに対する事実確認と苦情を伝えることにしました。

・・・(中略)・・・

「なぜ、その様な判断をこの店はするのか?」ということを、書面で回答をもらうこととしました。

そして、その店が出してきた回答が更に筆者の怒りに火を注ぐものでした。
その理由は、

ほかのお客様の迷惑になるから

(彼女は)もちろん、

不潔な格好をしているわけでも、

ショーパブの出演衣装のような格好ではありません。

純粋に、女性としての装いをしているだけなのです。


・・・(中略)…

「迷惑って具体的にどういうことですか?」と

筆者が聞いたところ、


「他のお客さんが気になって、

本来食事中にする会話が出来なくなる」

とのこと。


出典元:http://blogos.com/article/111862/

 


少し長い引用になってしまいましたが、
まとめると・・・


★女装者の友人がレストランで席に座っていると、

そのレストランの店員が端の席に移動するように

その友人に伝えた。

★その女装者の服装は奇抜なものはなく、

公序良俗に反しない自然な女性の服を着ていた。

★レストランが彼女に移動をお願いした理由は、

「ほかのお客様の迷惑になるから」

★迷惑というのは「ほかのお客さんが気になって本来食事中

にする会話ができなくなるという迷惑だとレストランは言う。


ということです。

これは差別なのかどうかです。
そもそも差別論はどのように考えるべきなのでしょうか?



■差別状態とは何なのか?


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そもそも「差別」という言葉の

定義がはっきりしていません。

wikipediaによると、



差別(さべつ)とは元来、差をつけて区別することであるが、

社会学においては特定の集団や属性に属する個人に対して特別な扱いをする行為を意味する。



特定の集団や属性に属する個人に対して特別な扱いをする行為

ということです。


よく言われる「これは差別じゃなく、区別」などという言い方がありますが、

それが社会的に合理的かどうかで呼び名が変わるだけで、

根本的な特定に対する特別な扱いという意味では同じなのです。

社会的に合理的な特別扱いであれば「区別」と呼ばれ、

非合理的であれば「差別」だと呼ばれるのです。


では、合理的とは社会的にはどういうことかというと、

(Object 対象)特別扱いされる側のマイナス(treat)

<(Subject 主体)特別扱いする側のプラス(treating)

という状態ことを意味します。

特別扱いされる側のほうが(ほとんどの場合)社会的に少数(マイノリティ)なので、

社会的に多数である特別扱いする側の(マジョリティ)が優先されるのです。


たとえば、男女の区別によって、

女性専用車両の導入がされていますが、これも差別です。
男か女かの社会の中で、特定の女性に対してのみ特別な

扱いをしているわけですから。

でも、これは社会的に合理的だから、差別でも「区別」だと

(今のところ)大多数が合意しているのです。

特別扱いされる側すなはち男性側のマイナス<特別扱いすることによる女性側のプラス


という状態です。

男性側のマイナスは女性専用車両には乗れないことによる不便さなどが

マイナスに該当します。

女性側のプラスは、痴漢犯罪の9割以上の犯行は男性は行うものなので、

その可能性を排除できる可能性は、男性の不便さよりも

はるかに優先されるべきものなので、

今のところ女性専用車両は社会的に合理的なので、区別なのです。

(質的観点と量的観点が混ざっていますが、主旨ではないので

割愛)




■では、レストランの女装者に対する要求は差別なのかどうか?


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このレストランの特別扱いを差別とするのか

区別とするのか。

女装者のマイナス、

女装者以外(レストランやレストランの客)のプラス

これで比較してみます。

考えられるのは、


<女装者のマイナス>
a.女装者の精神的苦痛

<女装者以外のプラス>
b.会話に集中できる






a.女装者の精神的苦痛は店側の特別扱いにより

確実に発生する


b.女装者がいることにより、利用者が会話に集中できない

可能性は低い。
→なぜなら、女装者は自然な女性の格好である。

また、女装者だと気づかれても、お客さんが会話に集中

できなくなるほどのインパクトがあるとは考えにくい。


となると、今回の状況では、


女装者のマイナス>女装者以外のプラス

 

という状態だとするのが自然であり

「差別状態」だといわざるを得ないと思います。


ただし、

b.女装者がいることにより利用者が会話に集中できない

事象が本当に起こった場合


男性が女装をするという行為は今のところ社会的に

マイノリティであり、「公共の場」において、(議論の余地はあるものの)

それが必ず実現されるべきというわけではないと言えます。


なので、お店側の対応としては、

 

「もし実際に、女装者がいることにより利用者が会話に集中できない」

という事象が起こった場合のみ、女装者に席の移動をお願いする。
起こらない場合は、レストランが女装者に席の移動をお願いする合理的理由

はない。すなはち、差別状態である。


というのが、私の意見です。




■わたしたちは、自由に選ぶことができる


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筆者は最後にこう締めくくっています。




最近では、箸が使えない人は入店お断りの和食店もあるようです。

公共の場であれば、許されないと思いますが、

店が自己主張をするのは全て非難されるものでもありません。

そういった店には「客として行かないこと」を選択することができます。

トランスベスタイトの彼女はめいっぱいのオシャレをして、

美しく上品に着飾っていたのです。

彼女が安心して食事が出来る社会にするべきではないでしょうか。
多様さの相互理解が問われているように思われます。


出典元:http://blogos.com/article/111862/



われわれは他人に迷惑をかけない限り、

自由に選択をすることができます。

この「迷惑をかけない限り」というのが、

議論の焦点なので、

この文の結論として、

「われわれは(自由に)店を選択できる」

という結論は少し的外れだと思います。

みなさんはどう思われますか?

忌憚なきご意見お待ちしております。




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この記事書いた人:栗原千秋

女装歴10年のほぼフルタイム女装子ライター。
年齢は30歳くらい♪
座右の銘は「女装子ほど、男気を忘れず。」
好きなものは「にんにくの素揚げ」
関東在住ながら、名古屋、大阪を拠点に
フリーランスで雑誌執筆などをしている。
口癖は「仕事ください♪」

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Comment

名無し

自由自由
自己責任自己責任
やかましいんだよこの世の中
ぼくも栗原氏の意見に賛成だな

2015.06.25 Thu 18:03